후리가나로 읽는 일본 고전
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
山本 周五郎의 おごそかな渇き(おごそかなかわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,042자 · 71화면
そのあと、隆二は独りで炉の火を眺めたり、薪をくべたりしながら、故郷の干飯崎からここまでの、飢と渇きと、嶮しい山越え続きの、苦しい旅を思い返した。福井県南条郡にある干飯崎というその漁師町は、日本海に面していて、松山家は三代まえからその町いちばんの網元であった。沿岸漁船が十五はい、遠洋漁船を五隻持ってい、彼はその家業を継ぐために、東京の水産講習所へ入学した。まもなく第二次世界大戦となり、昭和十九年の冬、学徒動員で徴集されたが、胸部に疾患のあることがわかって、即日、徴集を解かれた。――彼は少年時代から結核で、小学校二年生のとき、右股間淋巴腺の切除手術を受けたことがある。その手術をしたのは金沢であったが、執刀医は「この子は二十歳まで生きられないだろう」と云ったそうである。それはずっとのちに母から聞かされたことだが、武生市の中学で寮生活をするうち、三年のとき肺結核にかかって帰郷した。北国には肺疾患にやられる者が多い、冬がながく、太陽に恵まれず、海辺で空気が湿りがちなことも原因の一つだろうか。したがって他の地方ほど、肺疾患を恐れるようなことはなかった。――徴集を解かれた彼は、混雑する疎開列車に乗って故郷へ帰った。