후리가나로 읽는 일본 고전
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
山本 周五郎의 おごそかな渇き(おごそかなかわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,042자 · 71화면
帰って来た竹中啓吉はいやな顔をし、炭を片づけてから、うがいをしたり手や顔を洗ったりしてから、炉端へ来てタバコをふかした。
「おめえ本当にブラジルへゆこうってのかえ」と油屋が云った、「いってえそんなとこへいってなにをするつもりだね」
「できる事ならなんでもやるさ、なにしろ広くて大きい国だからな」
「逃げて帰る者もだいぶあるって聞くがな」と油屋は持っていた湯呑茶碗を差出した、「まあ一杯いこうか」
「日本の国の中でだって」と竹中は酒を啜ってから云った、「――出世する希望をもって東京や大阪へ出てゆくが、失敗して帰って来る者が幾らもいるさ」
「云えばどうでも云えるさ、まあもう一杯」と云って油屋は振り向いた、「りつ子、湯呑をもう一つ持って来てくれ」
「ぼくはもういい」と竹中は酒を干して、茶碗を油屋に返した、「腹がへってるんでね、すぐめしにしたいんだ」
飢え、飢え、と松山隆二は思った。おれは飢え渇いていた。それをこの少女に救われた。干飯崎での自分の能力範囲外のことだ。それも自分たちは粟、稗、もろこしなどで、かつかつに生きてきた。この住居をも含めて、とうてい人を救けるような状態ではない。