후리가나로 읽는 일본 고전
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おもかげしょう
おもかげ抄
山本 周五郎
山本 周五郎의 おもかげ抄(おもかげしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,947자 · 22화면
押しつけがましき致し方とお怒りなく、老人の微衷万々お察し願上げ候。なお、呉々も望むところは一日も早き御帰来に候、御心の変る時もあらば是非是非お立戻り下さるべく、老の身のそれのみ待入り候。
平安を祈る、――と読みも終らず、孫次郎は胸をうたれて呻いた。
「それ程までにこの孫次郎を」
骨に沁入る篤い情誼だった。親切を徒にして立退こうとする身を、武士と見込めばこそ娘の眉落し、歯を染め、名を変えるのみか亡き人の再生と思えとまで云い添えてある、是程の深い信頼が世に又とあろうか。――武士は己を知る者のために死すと云う。
孫次郎の顔に卒然として力が溢れた。
「小房どの、――いや椙江と申すに及ばぬ、小房どの」
「――はい」
「今は何事も申上げぬ、旅の不自由御得心でござるか」
「どこまでもお伴を致します」
「では、――紀州へ参ろう」
孫次郎は手紙を巻き納めて、
「高野の霊場へ納めるものがござる、その供養を終ったら直ぐに浜松へ戻りましょうぞ」
「あの、ここへ……?」
「行って帰るまで多くかかっても二十日、帰ったら其許と改めて祝言だ」
「まあ」
小房は思わず頬を染めて、しかし双眸は燃えるように男の表情を覓めながら羞いの微笑をうかべるのだった。