후리가나로 읽는 일본 고전
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
佐藤 春夫의 たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集(あじさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,277자 · 84화면
とその最初の機会にこうことわりを云って居りました。
この人の主人と云うのは、日露戦争のころは勇名をうたわれた大隊長のひとりで、名を云えばおぼえている人もあるかと思うが、おぼえのある人は同時にきっと、そんな人がまだ生きていたのかと思うに違いない。
閣下は軍人仲間のいわゆる精神家という純粋の軍人肌で、その後順調に出世をしながら、乃木将軍を崇拝して政界の野心などがないために、きれいに忘れられてしまったのであろうか。ここでは必要もなし、患者の身の上ばなしは云わば医者の職業の秘密として名は伏せて置きますが、その屋敷は目白台の奥の哲学堂の附近と云えば、すぐこの上あたりの(とF君は背後を指しながら)もとはむかしながらの武蔵野の一隅に隠棲している様子です。
閣下はとうに停年で退役になっていたから、今度の戦争には勿論なんの関係もなかったが、ただ、三人の男子の太郎はビルマ戦線で戦死し、次郎はフィリッピンの山中に部隊を率いたまま迷い入って今だに部隊全員とともに生死不明のまま、というのはいずれ死んだのであろう。ただひとり末子の三郎だけが陸軍幼年学校在学中に終戦で生き残っていたのが、某私立大学に転学して、きのうとは打って変った学生生活に入っていた。