후리가나로 읽는 일본 고전
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
佐藤 春夫의 たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集(あじさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,277자 · 84화면
その住宅は焼かれて家庭は離散し、上の息子たちはそれぞれに細々と自活しているが細君は小さな子どもたちをつれて実家に農を助けている。自分だけ、むかしのなじみ甲斐に爺やにでも使ってほしいという。場末の一軒家で幸に戦災は免れたが、ご覧のとおりだだっ広いだけで、部屋の四隅はどこも蜘蛛の巣だらけ、天井は一面に雨漏りのしみだけれど、どこでも使えるところにお住みくださいというのを、馬屋のなかでもと母屋の方は見むきもせずに、そのまま秣小屋に居ついて、云いつけもしない庭の手入れやら菜園作りなどして我と爺やを以て任じているNさんが速座に自らすすんで遭難の現場へ駆けつけてくれた。信州生れで多少は山の心得もあるというので頼んだのである。
Nさんは山上で一泊して翌日の日の暮れに帰って来たが、遭難現場の一かたまりの死屍の中には三郎の遺品らしいのも見当らず、何しろ稀に見る大きな雪崩で山腹の広い部分に跨り及んでいるから死体の発掘もとても一朝一夕の事ではできそうにはない。いろいろな学校の山岳部からもそれぞれに仲間をたずね求めて来ている間でただまごまごして来ただけのこと。何の手がかりも新らしい所見もなく遭難行方不明という最初の学校からの通告をただ空しくたしかめた外は何のお役にも立たずにおめおめと帰ったのは申しわけも無いとNさんは面目なげにしおれ