일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면

아오조라 문고

不思議な顔をして立ち留った彼に、私は立ちながらいま頭に影のごとくに来て浮んだ花敷温泉に就いての思い出を語った。三四年も前である。今度とは反対に吾妻川の下流の方から登って来て草津温泉に泊り、案内者を雇うて白根山の噴火口の近くを廻り、渋峠を越えて信州の渋温泉へ出た事がある。五月であったが白根も渋も雪が深くて、渋峠にかかると前後三里がほどはずっと深さ数尺の雪を踏んで歩いたのであった。その雪の上に立ちながら年老いた案内者が、やはり白根の裾つづきの広大な麓の一部を指して、彼処にも一つ温泉がある、高い崖の真下の岩のくぼみに湧き、草津と違って湯が澄み透って居る故に、その崖に咲く躑躅や其他の花がみな湯の上に影を落す、まるで底に花を敷いている様だから花敷温泉というのだ、と云って教えて呉れた事があった。下になるだけ雪が斑らになっている遠い麓に、谷でも流れているか、丁度模型地図を見るとおなじく幾つとない細長い窪みが糸屑を散らした様にこんがらがっている中の一個所にそんな温泉があると聞いて私の好奇心はひどく動いた。第一、そんなところに人が住んで、そんな湯に浸っているという事が不思議に思われたほど、その時其処を遥かな世離れた処に眺めたものであったのだ。