일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면

아오조라 문고

或はその美しい葉の色が単弁のすがすがしい花に映じて自ずと淡紅色に見えるのかとも思われる。多くは山地にのみ見られる様で、あれほど桜の多い東京にもこの花ばかりは殆んど見掛けなかった様におもう。

丁度その花の頃は旅行のしたい季節ではあるし、よくあちこちと出かけて行っては山に咲き野に咲く一本二本のそれを見出して心を躍らしていたのであったが、今年偶然にもこの花の非常に多い処を発見した。それはいま私の滞在している伊豆湯ヶ島温泉附近である。

東海道三島駅で分れた駿豆鉄道の終点大仁駅から四里、乗合の馬車なり自動車なりによって軽い片登りの道を登ってゆくと天城山の北の麓に在る湯ヶ島の宿場に着く。その宿はずれから右手を見下すと其処は思いがけぬ嶮しい崖となっていて丁度崖の下で二つの渓流が落ち合い、白い奔湍となって流れ下っているのを見る。その渓沿いに、川下にまた川上に、次ぎから次ぎと実に限りないこの山桜の花の咲いているのを私は見たのである。

私の此処に来たのは三月の末、廿八日であった。右に云った宿はずれの崖の上から見下した渓間の流れに臨んで二軒の温泉宿がある。その一軒に暫く滞在して病後の疲れを直そうと思って来たのであったが、その時に既に或る場所の桜は咲いていた。