일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りこんについて

与謝野晶子評論集

与謝野 晶子

与謝野 晶子의 与謝野晶子評論集(りこんについて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,402자 · 100화면

아오조라 문고

自分の郷里は歴史と自然とこそ美くしい所に富んでいても、人情風俗は随分堕落した旧い市街であり、自分の生れたのは無教育な雇人の多い町家である。従って幼い時から自分の耳や目に入る事柄には如何わしい事が尠くなかった。自分が七、八歳の頃から自分だけは異った世界の人のような気がして周囲の不潔な事柄を嫌い表面ではともかく、内心では常に外の正しい清浄な道を行こうとしていたのは、厳正な祖母や読書の好きな父の感化にも因るとはいえ、この「純潔」を貴ぶ性情からである。

自分は十一、二歳から歴史と文学書とが好きで、家の人に隠して読み耽ったが、天照大御神の如き処女天皇の清らかな気高い御一生が羨しかった。伊勢の斎宮加茂の斎院の御上などもなつかしかった。自分の当時の心持を今から思うと、穢い現実に面していながら飛び離れて美的に理想的に自分の前途を考え、一生を天使のような無垢な処女で送りたいと思っていたのであった。

また自分の心持には早くから大人びている所があった。投げやりな父に代り病身な母を助けて店の事を殆ど一人で切盛したためもあるが、歴史や文学書に親んだので早く人情を解し、忙しく暮す中にも幾分それを見下して掛かる余裕が心に生じていたからであったらしい。