후리가나로 읽는 일본 고전
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がいらいごしょかん
九鬼周造随筆集
九鬼 周造
九鬼 周造의 九鬼周造随筆集(がいらいごしょかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,312자 · 27화면
西田先生もアマゴなら食ってもいいといわれて貴船行の計画がめでたく成立った。これはアマノがアマゴとアナゴを間違えた話である。関東育ちでカントの『純粋理性批判』の訳者である天野君はアナゴは知っていたがアマゴを知らなかったのである。
今年の歳末にその天野君と落合太郎君と私とで寒い晩に四条通の喫茶店へ茶を飲みに行ったことがある。給仕の少女に九鬼は紅茶とビスケットをくれないかといった。ビスケットってクッキーのことですかと少女が尋ねた。九鬼は「クッキーなら貰わないでもこっちから上げるよ」といって笑ったが、何かしら胸にグキット感じた。ビスケットという古い言葉がクッキーという新しい言葉に代ってしまっているのを初めて知って、自分の住んでいる古い世界と少女の住んでいる新しい世界との間隔に軽い目まいを感じたのである。これはクキがクッキーでグキットした話である。
この二つの場合で、クキがクッキーでグキットしたとはいいやすいが、アマノがアマゴとアナゴを間違えたといおうとするとうまく口が廻らないで多少の努力を要する。前者は同一性に基くものとして単に量的関係に還元され得るのに反して、後者は類似性の基礎に質的関係を予想しているためであろう。