후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
今更それをどうして救うという方法もないのであるが、小坂部は塩冶の奥方の身の上が気にかかった。
「のう、采女、塩冶の人々が討っ手に囲まれたのではあるまいか。」
「わたくしも左様かと存じまする。」と、采女も悼ましげにささやいた。
「せめては奥方だけでも無事に救い出す術はあるまいかのう。」
「さあ。」と、采女は難儀そうに溜め息をついた。
塩冶の奥方を救おうとするには、同士撃ちをしなければならない。同士撃ちはよんどころないとしても、敵は大勢である。そこへ采女一人が迂濶に斬り入ったところで、無事に奥方を救い出すことはおぼつかない。討っ手もおそらく奥方に眼をかけるに相違ない。それを斬りひらいて奥方を奪い出すのは、采女一人の力で成就しそうにも思われなかった。
「いずれにしても何分不安でござりますれば、わたくしが忍んで様子をうかがってまいりまする。」
行こうとする采女を、小坂部はあわてて引き留めた。
「まあ、お待ちゃれ。わたしも一緒にゆく。」
心の急いている二人は、そこにいる眇目の男のことなどは忘れてしまって、灯のかげの暗い村の方角へ駈け出した。村といっても、そこには五、六軒の人家がまばらに続いているばかりで、杉や榎らしい大木が路を挾んですくすくと立っているのが薄闇の中にも窺われた。