일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면

아오조라 문고

「というと、どういうんです? あ、妹の遺書があるそうですが……」

と、彼は、思い出して、そのへんに眼をくばつた。枕許に、三通の封書が重ねて置いてある。

その一通は、たしかに彼宛のもので、――兄上様、と、封筒の中央に書き、その横に、所番地と名前がしるしてあつた。

彼は、その封書を受取るとき、なに気なくほかの二通の宛名に眼をくばつた。一通は、田所清名様として、その下に、中央区築地云々、大東産業総務課と小さく書いてあり、もう一通は、松木母上様とあり、そばから、

「それは、あたしにですの」

と、年嵩の女が口を出した。

「これは?」

「ですから、それが菊ちやんのいゝひとなんですよ」

若い方が、説明した。

遺書の内容は、警察でしらべる必要があるそうだから、そのつもりでとのことであつた。

彼に宛てた美佐の最後の言葉は次のようなものである。

兄上様、美佐はとうとうひとりぼつちになりました。女の運命が一人の男の意志によつてきまるとすれば、その意志ひとつに望みをかけて、今日まで生きて来た美佐のことを、どうぞご理解ください。わたしが愛したたゞ一人の男は、やつぱり、愛してはならない男だつたことが、ちかごろやつとわかりました。