후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
これが初めてのことではあるが、母の口からそんな話を持ち出され、まして、女の写真を、これはどうかといつて見せられる自分の立場は、情けないほど惨めなものに思われた。
が、よくよく考えてみると、自分に果して、そんなチャンスがひとりでに来るかどうか疑わしい。今日まで、ほんとに心を打ち込めるような恋愛の相手も得られず、たまたま一人、互いに友情以上のものを感じ合つて、さて、未来の約束をと肚をきめたとたん、二人の間を戦争という事件が引き離してしまつたのである。それも、言つてみれば、彼になにか粘着力のようなものが欠けているからだと、思わぬわけにいかぬ。そういう力さえあつたら、味岡小萩の運命もまた、別の道を辿つたかも知れぬのである。
「まあ、まあ、こつちさえその気になれば、相手は選り取り、お好み次第つていう有様だから、兄さんなんか、気が強いわけさ」
と、母は、捨てぜりふのように言つて、その写真を元のところへしまい込んだ。
「それにつけても、美佐のことが、あたしや可哀そうで……。お父さんはあの通り頑固におつしやるし、もう諦めてはいるんだけど、ふつと心配になつて来てね……」