후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
「できることなら、なんでもやりますよ。専門の知識はたいしていらないんでしよう」
「あるに越したことはないが、それより、やつぱり、人間を扱うコツだな、必要なのは。いずれ、形式だけでも重役会議にかけにやならんから、履歴書を書いとけ」
父のこんなに上機嫌な顔を、ちかごろ彼はみたことがなかつた。それなのに、彼は、そういう父をみることが、すこしも愉快ではなかつた。一歩一歩、安易な道へ踏み込もうとする自分のすがたが、父の、その満足げな微笑のなかにうつつていたからである。
父が出かけた後、彼は二階にあがつて、今はたゞ履歴書を書くためにだけそこにあるような机に向つた。
すると、階段をあがつて来る足音がする。振りむくと、上の妹の多津が、遠慮がちにそつと唐紙をあけてはいつて来た。
「すこし、おしやべりしてつていゝ?」
「あゝ、いゝよ。今のうちにうんとしやべつとけよ。そのうちに、おれは忙しくなるからな。おや、今日はバカにおめかししてるじやないか」
ふだん身なりをかまわぬように思われたこの二十七の妹の、今日の朝の化粧は、匂うように美しかつた。
「それや、いざつていう時は、化けるわよ。