후리가나로 읽는 일본 고전
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
直木 三十五의 南国太平記(なんごくたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 493,291자 · 991화면
(いいや、私の怨みを晴らすよりも、元兇を除くことが、大切ではないか? そうだ)
小太郎は、心の中で、頷いた。だが、牧のことを考える時のように、憤りが、口惜しさが、湧き立って来なかった。
牧を討つ、ということは、自分の心の中から押滲んで来る力であったが、久光を討つということは、人から、命ぜられてすることのように思えた。
(矢張り、牧を先に――久光を、後に)
そう考えたが、お鷹野の方へは、歩いて行っていた。一人の百姓風の男が、腕組をし、頬冠りをして、小太郎の前を、歩いていた。
(見つかったなら、疑われるかもしれん――近寄らない方がいい)
そうも、思ったし
(顔見知りの者は居ないであろう)
とも、思った。いつの間にか、久光の姿は、無くなっていた。
街道の右手に、雑木林の点在している広い原があった。黒い森と、幾段にもなった草原とが、高くなり、低くなりして、遥かまでつづいていた。
小太郎の前を歩いていた男が、林の中へ入って行って、草の中へしゃがんだ。そして、ちらっと、小太郎の方を見た。
小太郎は、腕組をして、往来に立ったまま、小さく、黒く、動いて行く、久光の人数を、じっと眺めていた。