후리가나로 읽는 일본 고전
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
直木 三十五의 南国太平記(なんごくたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 493,291자 · 991화면
次の間から、吉井七郎右衛門の声がした。左源太は立上ると、襖を開けた。
「おおっ」
「吉井っ――吉井っ」
左源太は、涙声で、こう叫ぶと、吉井の手を握った。
「助ける道は無いかっ、吉井」
吉井は、老いた顔に、涙をいっぱいにしながら
「わしゃ、な、床下から、天井から、這い廻って来た。良伯も、敦子も、よくしとるが、名越」
吉井は、立ったまま、名越の手を握りしめて
「この腹一つ切って、代えられるものなら、わしの孫子が、身代りになれるものなら――」
「そうじゃ、吉井、わしらの一族と代れるものなら――」
二人は、立ったままで、泣いていた。その部屋の近習共は、俯向いたまま、泣いていた。
朝と、夕と、秋風の立っている山の中は、もう、単衣の重ね着でさえ、冷たかったし、薬湯を煎じている炉の火が、うれしかった。
深雪は、古びた土瓶の中へ、薬草を入れて、松の小枝と、松葉の枯れたのを、炉で焚いて、煮出していた。
(いつまでも、こうしていたい)
深雪は、もう忘れてしまった程長い前――それは、決して、そんなに長い時間ではなかったが、余りにも、幼い女の身にとって、次々に起った烈しい事件に――そうした、姉と、母とで――今、こうして、土瓶を凝視めて、炉の下の、火加減に、心を配っているように、いつかの日、楽しく、食事ごしらえを手伝った、夢のような、昔のこと