후리가나로 읽는 일본 고전
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 垢石釣游記(あおいはらふじんのたいつり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,298자 · 100화면
釣の興趣は茲に到って尽きると言えよう。
花も終えて半島の山々が、青葉に包まれる四月下旬から五月上旬になると、太平洋の荒波に育った鯛が、東京湾口へ産卵のために乗っ込んで来る。この鯛も素晴らしく大きい。稀には、三貫目近いものさえある。この鯛は、最初洲崎の沖に在る岩礁に、四、五日旅の疲れを休める慣しがあるので、三浦半島の松輪や、房総半島の那古船形、房州の南端布良の漁師などが、これを狙って、夜の釣を試みる。だが、この鯛は三、四夜にして洲崎を離れ、鎖のように繋がった岩礁から松輪の鼻に出て次第に、鴨居や竹岡前、観音の沖を越えて横須賀から見える海堡の方まで旅して来て、性の使命を果たすのである。
だが、同じ真鯛でも湾口に居付の鯛とは、少しばかり異ったところがある。ここと言って指すわけには行かないが、風が何処となくいかつい。また、腹の両側に開いた双の鰭の間に、臍に似た瘤が隆起しているのを特徴とする。色は、真紅ではない。背の鱗の色に、薄墨を刷いたように錆が出ていて、いかにも荒波と苦闘したかを思わせる。そして、痩せて、体の厚みが薄いのである。これは、荒波に身を粉と砕いている上に、外洋には餌となるべき蝦や烏賊が少いためであろうが、居付の鯛に比べて肉の組織に細かいところがなく、舌触りが粗荒で、味が大味である。