후리가나로 읽는 일본 고전
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 垢石釣游記(あおいはらふじんのたいつり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,298자 · 100화면
いまにも、大きな背中を波の間に出すであろう鯨を狙っているのだ。船に追われて、呼吸が迫って、空に潮を吹こうとするその一瞬前の息づまる光景だ。
背中が波間へ出れば、銛が砲口から飛び出す一瞬前だ。
全船員が、甲板に船橋にガンウェーに集まって手に汗を握る。僕は、船橋の屋根の上で、砲口が向いている波間に眼を※(「目+爭」、第3水準1-88-85)って、固唾を呑んだ。息がつまる。その瞬間――。
出たっ!
五、六人が一斉に叫んだ。左舷から二、三十間ばかり離れたところへ、海の怪物が二頭揃って大きい背中を浮ばせた。僕は、
あっ!
と思った。そして、咄嗟の間にこれは撃つのに適当の距離だろう、と考えたのだ。けれど、砲と鯨の位置との角度が適当でなかったのだろう、船長はついに砲の引金を引かなかった。
鯨は慌ただしく再び海中へ姿を没した。残念だ。それっきりもうどこへ走ったか姿を出さない。十分後、檣上の水夫長は半浬も前方へ逃げのびて海上へ浮び上った鯨群を発見した。逃げ足が早い。
フルスピード!
船は追跡々々だ。二頭の鯨も命からがら逃げる。右へ左へ二時間も追跡しているうちに、また濃霧が襲って来た。