후리가나로 읽는 일본 고전
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 垢石釣游記(あおいはらふじんのたいつり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,298자 · 100화면
そこで、上方の人には紅い肉の刺身には親しみを持たなかった代りに、鳴戸と音戸の峡が咽をなす瀬戸内海や、紀州と土佐、伊予と豊後が抱く大灘で釣れる淡白な肉の鯛を喜んだ。
また、鮪や鮭は関東から取り寄せる必要のない程に瀬戸内海から漁れる魚は豊富であったのである。鯛も、その通りであった。旧の三月、桜時となれば生きのいい鯛が、浪速から尾道、広島、下関、別府の浜々へ山と積まれた。そして、料理も発達していた。清新な鯛の肉を舌に載せては、鮪や鮭は下肴と言うより外はない。それは、上流の家庭ばかりではない、昔から農家でさえも春になれば鯛の味に親しんだ。
たまたま、関東の人が上方へ旅してその鮮味と、割烹の妙に魅せられたのも当然であった。鯛は、瀬戸内海のものに限る、と絶讃の言葉を惜しまなかったのも、因はそこから出て来ている。だが、関東の海にも立派な鯛が棲んでいる。だがそれを、一部の通人以外に知る者が少かったからだ。謂わば、認識不足と言うものであったのである。
遠州御前崎の灘にも、駿州三保ノ松原の外に波打つ荒い海、内側のなだらかな浦にも、沼津の静浦、伊豆の網代、伊東、下田の外洋にも、また外房州の洋底にも大きな鯛が棲んでいるのであるが、東京湾口で釣れる鯛に匹敵する程の姿と味を持っているのは、少いのである。