후리가나로 읽는 일본 고전
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まど
堀辰雄集 新潮日本文学16
堀 辰雄
堀 辰雄의 堀辰雄集 新潮日本文学16(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,906자 · 119화면
であるわけのものではなく、そんなフランシス・ジャムのような詩人になり切れそうな日も、また何と遠いことだ……
が、いまだけはともかくもこうした幸福そうな私達、――この私達には、現在、花だって、犬だって、少しも事は欠かない。――例えば、ついこの間、私がすぐ裏の樅の木かげにちょっと目につかないくらいに小さな青い花が一面に咲いているのを見つけて、何の花だか知らないけれどいかにも可憐だったので、その見本のように一輪だけ摘んで得意そうに持ち帰ってきたら、女房の奴に「あなたが菫の花なんぞを摘んできて。それにうちの庭にだってたくさん咲いているじゃあないの?」と笑われた。なるほどそう言われて見ると、わが庭の隅々にもそれと同じ可憐な花が一ぱい咲いているのに漸と気がついた。それにしても菫の花をいままで少しも知らずにいた私の迂濶さ!……だがそんな迂濶なところのある私だけに、いま、――こんな人生のこんな瞬間に、――菫の花みたいなものまでもこうやってしみじみと見て楽しんでいられるのだからな、と誰に向ってともなく負け惜しむ。
夕方、女房が食事の支度をし出す頃になると、何処から来るのか、エアデルテリヤの雑種らしい大きな犬が姿をあらわす。