후리가나로 읽는 일본 고전
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まど
堀辰雄集 新潮日本文学16
堀 辰雄
堀 辰雄의 堀辰雄集 新潮日本文学16(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,906자 · 119화면
という小説の結末に出てくるそのかわいそうな女主人公の住んでいる、フランスの或る静かな村の古い教会のことなぞを胸に泛べたりしていた。――以前その女の身を誤らせたことのある青年が巴里からはるばるとその村までその女に逢いに来る。彼はその若い女を偶然村の教会のなかに見出す。彼女は丁度聖体を拝受しようとしているところである。青年はそういう打って変ったような女の姿を見ると、もう彼女に話しかけようともせず、又自分を彼女に気づかせようともしない。彼は聖水を戴いて、虔ましく十字を切り、そのまま教会を出ていってしまうのである。……
そういうモオリアック好みの小説の場面を、私は自分の目の前の空虚な教会の内側にいましも起りつつあるかのように想像を逞しくしたりしながら、いつまでもうつけたように教会の木柵にもたれかかっているようなことさえあった。
そんな或る日の事(二月の末だった……)、私はひょっくり出先から戻ってきた其処のHさんという管理人と二こと三こと口を利き合い、そのまましばらく教会の側面の日あたりのいい石の上で、立ち話をしあっていた。丁度私達の傍らに立っている聖パウロの小さな、彩色した彫像は、彫刻の上手なレイモンド夫人がみずから制作したものだという事を私の教わったのも、そのときの事だった。