후리가나로 읽는 일본 고전
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まど
堀辰雄集 新潮日本文学16
堀 辰雄
堀 辰雄의 堀辰雄集 新潮日本文学16(まど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,906자 · 119화면
そう云えば、あのときなんぞ彼の弱っていた身体には、私達の山の家まで昇ってくる道がよほど応えたと見え、最初は口もろくろく利けずに、三十分ばかりヴェランダに横になったきりでいた、息苦しそうな彼の姿がいまでも目に浮ぶ。――私と妻とはときどきそんな立原がさまざまな旅先から送ってよこす愉しそうな絵端書などを受取る度毎に、何かと彼の噂をしあいながら、結婚までしようと思いつめている可憐な愛人がせっかく出来たのに、その愛人をとおく東京に残して、そうやって一人で旅をつづけているなんて、いかにも立原らしいやり方だなぞと話し合っていた。――「恋しつつ、しかも恋人から別離して、それに身を震わせつつ堪える」ことを既に決意している、リルケイアンとしての彼の真面目をそこに私は好んで見ようとしていたのであった。
その立原は、しかし、その春の末私達が結婚しようとしていたときは、まだなかなか元気で、病後の私のために何かと一人で面倒を見てくれたのだった。そうして結婚するや否や、誰にも知らさずに、すぐ軽井沢に立ってきた私達に、次ぎのような手紙を添えて、私達にささやかな贈り物をしてくれた。