후리가나로 읽는 일본 고전
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なつくさせんき
夏草戦記
山本 周五郎
山本 周五郎의 夏草戦記(なつくさせんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,107자 · 41화면
五
矢内武左衛門という男で、とんでもない時に拍子もないことを云ってよくひとを笑わせる、黒川在の僧家の出だそうだが、合戦になると大胆ふてきなたたかいぶりでいつもぬきんでた手柄をたてる若者だった。そのころから、銃声が左へ移りだした、はじめ敵は正面と右翼へひっしと撃ちかけていたのだが、ようやく左へ左へと移りだし、ときおりどっとさそいの鬨をあげた、いちどはひそんでいる松林の中から十四五人ばかりとびだして来さえした。銃火の閃光でその姿をみつけた味方の兵たちは、抑えようのない闘志をそそられたとみえていっせいに呻きごえをあげた、「出てはいけない」「動くな」そういう戒めの叱咤がなかったら、おそらくかれらは斬って出たことだろう、敵のようすはあきらかにその機をさそうもののようだった。
その夜の損害は大きかった、兵八名と足軽三名が討死し、ほかに負傷者が十名ほどあった。夜明けのさわやかな光のなかで、死者を荼毘にする煙がゆらゆらとたちあがるのを見かえりながら、しかしながくは名残りを惜しむいとまもなく、かれらはまた黙々と北へ向ってしゅっぱつした。
五
楢葉の郡と田村の庄との境にまたがる大竹山は、阿武隈山系のなかでもぬきんでて高く、そのふところには夏井川、木戸川、大滝根川などの深い源流谿谷をいだいている。