일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よるのこうず

夜の構図

織田 作之助

織田 作之助의 夜の構図(よるのこうず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 62,068자 · 125화면

아오조라 문고

だから、ジュリアンを自分に擬するのは滑稽だったしジュリアンの真似をするのはあわれな猿真似にすぎなかった。ジュリアン・ソレルは貴く、ソレリアン(ソレルの亜流)は低俗だ――というこの間の事情を、信吉は自分でも心得ていた。

しかるに、わざとジュリアン風にふるまったのは、どうせ線を引かねばならぬのなら、

「冴子ハ『赤ト黒』ヲ借リニ来タノダ!」

という任意の一点にひっかけて直線を引いた方が、単刀直入の最短距離だと、思ったからであろう。

いわば、ジュリアンをだしにしたのだ。が、だしにしてみると、ジュリアン的要素はもともと持っていたから、信吉が接吻の間感じたものはまず自尊心の満足であった。その点、充分悪魔的であった。

そして、そのような悪魔的な表情に関する限り、照れるということはなかった筈だが、しかし悪魔もまた時に陶酔の馬脚を現わす。長い接吻の間に、信吉はもっともらしく、うっとりして、いかにも愛の表現としての接吻をしている純情な青年の、しおらしい気持が、湧いて来た。いわば、ふとロマンチストめいているのだ。眼をつむると、リアリズムは去り、センチメンタリズムの花園の中を、甘い口づけがさまよっているかのようだった。