후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
よるのこうず
夜の構図
織田 作之助
織田 作之助의 夜の構図(よるのこうず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 62,068자 · 125화면
信吉はふと眼をあけた。すると、急に接吻の姿勢の緊張した醜さが、意識されて、何かおかしかった。リアリズムの世界が甦って、そして、信吉は照れたのだった。
「思わず知らず長いキスを続けるなんてだらしがないぞ」
不自然な行為も唐突できらいだったが、同時に無意識の行為もかなわなかったのだ。要は、エスプリがないと思ったのだ。
人間は誰でも接吻する。阿呆でもする。あるいは短かく、あるいは長く。しかし、いくら長いといっても、限度はある。接吻よりももっとはげしい例の行為には、確然とした終りがあるが、接吻には、これで終りという生理的なコースはない。しかし、とにかく、永久に口づけしておれないからいつかは止める。どの辺りで止めるか、人さまざまだが、しかし、信吉のように、エスプリがないと思ったことが、相手の唇からはなれる動機になるというのは、些か異例であろう。すくなくとも、相手の女性に対して失礼であろう。
しかし、冴子はそんなことを考える余裕なぞむろんなかった。
冴子は気絶せんばかりであった。信吉の背中を抱いた手に力がはいったのも、そうしてしがみついていなければ、倒れそうになったかも知れなかったからだ。