후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
山本 周五郎의 夜明けの辻(よあけのつじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,801자 · 86화면
一の二
征夷大将軍ですら、禁裏の宣下あって初めて存在するものです。たとえ何百万石源氏の長者の威勢をもってするも、宣下なくして大将軍の位はありません。禄位その本源を分つとはここを申したものであります。天下の理一をもって全しとする、その第一がすでにかくのごときありさまでは、名利と情慾とあい分れ、風俗人倫の紊乱することもまた、避けがたきところであります」
そのとき講演者の眼が燐のような光を放つのを、伊兵衛は、はっきりと見た。
一の二
「やあとうとうやってきたな」
「……しかも粉雪だ」
「これは積るぞ」
講演が終ったのは夜の十時、外はいつか霏々たる雪になっていた。
誰よりも先に津田邸を出た伊兵衛は、長屋門のはずれのところで、武者窓の庇の下に雪を避けながら、出て来る客たちを見送っていた。……門前で左右に別れた人々は、合羽を衣たり、津田家の貸し傘をさしたり、さまざまのかっこうで散って行った。そしてやがて人影のとだえた時分、来栖道之進が傘で吹きつける雪を除けながらやって来た。
「おい待っていたぞ」
伊兵衛はそう呼びかけながら、庇の下から出て行った……振返った道之進の白皙の面が、積り始めた路上の雪明りを受けて青いように見えた。