후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
山本 周五郎의 夜明けの辻(よあけのつじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,801자 · 86화면
しかしもしその生涯が真実から踏み外れたものなら、その生命は三文の価値もない、狡猾や欺瞞はその時をごまかすことはできても、百年歴史の眼をもってすれば狐の化けたほどにも見えはしないぞ。大臣大将の位に昇るものは星の数ほどあるが、青史に名を残した人物がどれだけあった……来栖、きさまはいくら長生きをしても百年とは生きられないんだぞ。経ってゆく一日一日は取返すことができないんだぞ。そんな卑劣な、醜汚なことをしていて、きさまは人間に生れてきたことを誇れると思うのか」
道之進の肩はいつか細々とすぼまっていた。凍てた雪の上に坐ったまま深く頭を垂れ、両手は袴の襞をくしゃくしゃに掴んでいた。
「おれはそんなきさまを生かしてはおけぬ。斬ってやる、覚悟しろ、来栖」
「……斬ってくれ」
道之進は噎ぶように云った。
「貴公に云われるまでもなく、拙者は自分の卑しさを知っていた。どんなに俊才だの人物だのと云われたって、自分の値打は自分がいちばんよく知っている。拙者は評判を聞くことが苦しかった。そして自分の本当の値打が分ったとき、いままでの評判が悪罵に変るだろうと思うと、どうしても自分を評判どおりの人間にしなければならぬと思いはじめた……どんなことをしても……そうしなければならぬように思われた。