후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
山本 周五郎의 夜明けの辻(よあけのつじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 42,801자 · 86화면
いまの言葉でおれは満足した。人間は弱点の多いものだ。みんなそれぞれ過を犯している。しかしそれが弱点であり過であると知ったら、大悟一番、はじめからやり直すときだ……世間の評判などは良くも悪くも高が知れてる。そんなものは吹き過ぎる風ほどの値打もない。大切なのは自分の生命いっぱいに生きることだ。真実のありどころを見はぐらないことだ……来栖、やり直してみろ。ここで斬られて死ぬよりも困難な、むつかしいことだ。しかしいちど本音を吐いてしまえば人間案外に胆が据わる。やってみろ生きるということは壮厳だぞ」
云い終るとともに、伊兵衛はさっさとそこを歩きだした。
夜道を急ぐあいだ、彼の脳裡を去来するものは単純ではなかった……山県大弐が来て、去った。そのわずかなできごとをめぐってなんと多くのことがあったろう。それは山湖の水面へ石を投じたにも譬えられる、なにごともない平和な生活のなかでは、すべてがそれぞれの位置にあってそれぞれの役割を果しているかに見えた。ある者は湖面に花を咲かせていたし、ある者は根となって人眼に触れぬ水底に隠れていた。魚は平和を娯み、鳥は波上に歓びを謳った。