후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
堀 辰雄의 大和路・信濃路(やまとじ・しなのじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,165자 · 115화면
――僕はその扉に近づいて、それをしげしげと見入りながらも、まだなんとなく半信半疑のまま、何度もその花文の一つに手でさわってみようとしかけて、ためらった。おかしなことだが、一方では、それが僕のこのとききりの幻であってくれればいいというような気もしていたのだ。そのうちそこの扉にさしていた日のかげがすうと立ち去った。それと一しょに、いままで鮮やかに見えていたそのいくつかの花文も目のまえで急にぼんやりと見えにくくなってしまった。
十月十二日、朝の食堂で
けさはもう六時から起きている。朝の食事をするまえに、大体こんどの仕事のプランを立てた。とにかく何処か大和の古い村を背景にして、Idyll 風なものが書いてみたい。そして出来るだけそれに万葉集的な気分を漂わせたいものだとおもう。――ちょっと待った、お前は僕が何かというとすぐイディルのようなものを書きたがるので、またかと思っていることだろう。しかし、本当をいうと、僕は最近ケーベル博士の本を読みかえしたおかげで、いままでいい加減に使っていたそのイディルという様式の概念をはじめてはっきりと知ったのだよ。ケーベル博士によると、イディルというのは、ギリシア語では「小さき絵」