후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
堀 辰雄의 大和路・信濃路(やまとじ・しなのじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,165자 · 115화면
辛夷の花
そうしてすこし坂道になり出した。そういう地形の変化は、もうさすがの曠野も果てようとしていることを思わせた。それに元気づき、だんだん急になるその坂道をあがってゆくと、その突きあたりに一軒の藁屋根の家が見え出し、そうしてその家の前の、ちょうど山かげになった道のほとりで、一人の痩せた老人がそこだけまだ一面に残っている雪をシャベルかなんかで掻きよせていた。
そこまで坂をあがり切って、その手にしたシャベルに凭りかかって一息ついている老人に軽く会釈しながら、ふとそのそばを通り過ぎようとした途端、すぐ目のまえに、川を挟んだ小さな部落が見え、そうしてその中ほどには、古びた木橋が一つ、いかにも人なつこそうに、そうして「板橋」という名前をもった村の目じるしのように懸かっていた。そうしていつか私達の眼界から遠ざかっていた八つが岳が、又、ちょうどその橋の真上に、白じろと赫いていた。
辛夷の花
「春の奈良へいって、馬酔木の花ざかりを見ようとおもって、途中、木曾路をまわってきたら、おもいがけず吹雪に遭いました。……」
僕は木曾の宿屋で貰った絵はがきにそんなことを書きながら、汽車の窓から猛烈に雪のふっている木曾の谷々へたえず目をやっていた。