후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
堀 辰雄의 大和路・信濃路(やまとじ・しなのじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,165자 · 115화면
主 あの小説には、それからもう一つ、別の興味があった。大伴家特だ。柳の花の飛びちっている朱雀大路を、長安かなんぞの貴公子然として、毎日の日課に馬を乗りまわしている兵部大輔の家持のすがたは何んともいえず愉しいし、又、藤原仲麻呂がその家持と支那文学の話などに打ち興じながら、いつか話題がちかごろ仏教に帰依した姪の郎女のうえに移ってゆく会話なども、いかにもいきいきとしていたな。
客 そういうところに作者の底力がひとりでに出ている。人間として大きな幅のある人だ。
主 一方、万葉学者としてもっとも独創に富んだ学説をとなえてきた、このすぐれた詩人が、その研究の一端をどこまでも詩的作品として世に問うたところに、あの作品の人性があるのだね。だが、どうしてあれほどのものが世評に上らなかったのだろう。
客 世間はそういう仕事は簡単にディレッタンティズムとしてかたづけてしまうのだ。学界の連中は、こんどは小説という微妙な形式なので、読まずともいいとおもったろうし……本当にこの作品を読んだという人は、僕の知っている範囲では、五人とはいなかったものね。
主 僕などもその一人だったわけか。