후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとじ・しなのじ
大和路・信濃路
堀 辰雄
堀 辰雄의 大和路・信濃路(やまとじ・しなのじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,165자 · 115화면
まだかなり遠いようではございますが。ここでございますか、ここはなんだかこう神さびた森で。……」
老いたる父はその森が自分の終焉の場所であるのを予感し、此処にこのまま止まる決心をする。
その神さびた森を前にして、その不幸な老人の最後の悲劇が起ろうとしているらしいのを読みかけ、僕はおぼえず異様な身ぶるいをした。僕はしかしそのときその本をとじて、立ち上がった。このまま此の悲劇のなかにはいり込んでしまっては、もうこんどの自分の仕事はそれまでだとおもった。……
こういうものを読むのは、とにかくこんどの可哀らしい仕事がすんでからでなくては。――そう自分に言ってきかせながら、僕はホテルを出た。
もう十一時だ。僕はやっぱりこちらに来ているからには、一日のうちに何か一つぐらいはいいものを見ておきたくなって、博物館にはいり、一時間ばかり彫刻室のなかで過ごした。こんなときにひとつ何か小品で心愉しいものをじっくり味わいたいと、小型の飛鳥仏などを丹念に見てまわっていたが、結局は一番ながいこと、ちょうど若い樹木が枝を拡げるような自然さで、六本の腕を一ぱいに拡げながら、何処か遥かなところを、何かをこらえているような表情で、一心になって見入っている阿修羅王の前に立ち止まっていた。