후리가나로 읽는 일본 고전
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ(全)(しんきだんクラブ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,139자 · 208화면
教父アルフオンゾは、小さい声で斯う囁きました。そして、
「解ったか、これが怨敵退散、悪魔調伏の尊いお祈りの言葉だ。それからパレストリナの尊いミサとグレゴリアンの和讃も教えてやろう、私の歌う通りに歌うがよい」
サンクトス・ドミヌス・デウス・サバオス・プレニ――
羅典の聖なる祈りの歌を、老宣教師が最低音で歌って行くと、その後を縋けてお夏の最高音が、霜空に静かに静かに響きました。
窓の内と外、格子から両手を取り交して、白髪の老異人と、赤い手柄をかけた、美しい婦人とが、立っては歌い、坐っては祈りました。月の光は水の底の世界のように澄み渡って、寒さは更くる夜と加わりますが、老異人も、美しい婦人も、少しもめげる色はありません。
祈りも歌も、すぐ涙になりました、遠くイスパニアの故郷を思う涙、近く崇巌院の夫を思う涙、格子の内外からそれが散って、散る下から氷になってしまいました。
街の人達は、暁方まで続いたこの異国的な祈りと歌に耳を欹てました。そして魂を揺がすような、悲痛な敬虔な声に引き入れられて、何んとはなしに涙を流して居りました。
翌る朝、切支丹屋敷の小者は、三十年来此処に閉じ籠められて居た、イスパニアの老教父アルフオンゾが、座敷牢の中に冷たくなって死んで居るのを発見しました。