후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
「これじゃあきみ戦争にならない、そうだろうばんくん」とちょろはちゃぶ台を出しながら続ける、「かれらがべんべんとパンの焼けるのやシチューの煮えるのを待ってるあいだに、こっちははんごうすいさんでちゃちゃっ、梅干でちゃちゃっと済まして、さっさと戦線へつん出てってさあ来いだ、――ずっと昔のことだったが、米英の観戦武官が大演習を見に来た。富士の裾野の営舎で日本の兵隊のくらしっぷりを見て、なにより驚いたのはこの食事のことだったそうだ、――このハムの匂いはちょっとおかしかないかな、ばんくん、ちょっときみ嗅いでみてくれないか」
七代目かぼちゃがその物の匂いを嗅いでいるうちにも、彼の舌はいきいきと活動していた。――米英の観戦武官たちは、はんごうすいさんの実態を見、土木工事の飯場よりひどく、藁の上に毛布で寝る寝台を見、牛肉の罐詰が日清戦役のときからの貯蔵品であることを認めて、これは造兵機構の驚異であり、特に即席兵食においてはいかなる文明国軍隊も敵すべからざるものだと舌を巻いたそうだ、と熱をこめて云った。
「だから原子爆弾なんていう野蛮な発明さえなければ、日本軍の勝利は確実だったんだが、米英諸国は侵略主義に凝り固まっているから自分たちの弱点をわる賢く、――そのハムはだめかね」