일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면

아오조라 문고

野本くんは黙って飲み、あみの佃煮ばかり喰べていた。彼の感情に生えた棘はますます太くするどくなるばかりで、彼はそれがますます太くするどくなるのを、あみの佃煮と酒とで助長しているようであった。

話は同僚やら課長、部長などのうわさが続いた。それが悪口やおひゃらかしで占められるのは、こういう場合の常識であろう。中でも島さんの表現がいちばん辛辣であり、井河くんや松井くんは幾たびも声をあげて笑わされた。

野本くんだけは黙っていた。彼がいちばん多く飲み、誰よりも先に赤くなったが、いつかその赤みは消えて、顔は白っぽく硬ばり、眼がすわってきていた。

「きみ、島くん」野本くんはやがて、うるんだような声で問いかけた、「――僕たちは今日は、招かれざる客じゃなかったのかい」

「どうして」島さんの顔に発作がおこり、それが鼻へぬけるまで答えがとぎれた、「僕がなにか気にいらないことでも云ったかい」

「きみはいい人だ、じつにいい人だよ、それは僕が保証する」

野本くんは十円印紙を証文に貼るような口ぶりで云い、次に本題へはいろうとしながら、もっとも簡単で効果的な言葉はないかと、頭の中で記憶のページをめくってみたが、適当なやつが思いだせないというようすで、おもむろに唇を舐めた。