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からすうりのはなとが

寺田寅彦随筆集 第三巻

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면

아오조라 문고

しかし座右にある最近の「アララギ」や「潮音」その他を手当たり次第に見ていると、中にはほとんど前記の第一例に近いものも、第二例に近いものも、また第三例に近いものもあるが、また中には形式においてずっと変わった特徴の見られるものも少なくはない。たとえば、身近い人の臨終を題としたもので病中の状況から最期の光景、葬列、墓参というふうに事件を進行的に順々に詠んで行ってあるが、その中に一見それらの事件とは直接なんら論理的に必然な交渉はないような景物を詠んだ歌をいわゆるモンタージュ的に插入したものがある。またこれとは逆にある一つの光景を子規の第一例もしくは第二例のように取り扱っているうちに、その光景とは一見直接には関係しない純主観の一首を漢詩の転句とでもいったふうにモンタージュとして嵌入したのもある。

ところが最近に寄贈を受けた「アララギ」の十一月号を開いて見ると、斎藤茂吉氏の「大沢禅寺」と題した五首の歌がある。これを一つの連作と見なして点検してみると、これは著しく他と異なった特徴をもっていることに気がつく。その五首というのは次のとおりである。

木原よりふく風のおとのきこえくるここの臥所に蚤ひとついず