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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면
量的と質的と統計的と
古代ギリシアの哲学者の自然観照ならびに考察の方法とその結果には往々現代の物理学者、化学者のそれと、少なくも範疇的には同様なものがあった。特にルクレチウスによって後世に伝えられたエピキュリアン派の所説中には、そういうものが数え切れないほどにあるようである。おそらくこれらの所説も、全部がロイキッポスやデモクリトスなどが創成したものではなくて、もっともっと古い昔からおぼろげな形で伝わり進化したものに根を引いているのであろうと想像される。しかしこれら哲学者の植え付けた種子が長い中世の冬眠期の後に、急に復興して現代科学の若葉を出し始めたのは、もちろん一般的時代精神の発現の一つの相には相違ない。しかし復興期の学者と古代ギリシアの学者との本質的な相違は、後者特にアテンの学派が「実験」を賤しい業として手を触れなかったのに反して、前者がそういう偏見を脱却して、ほんとうの意味のエキスペリメントを始めた点にあると思われる。ガリレー、トリツェリ、ヴィヴィアニ、オットー・フォン・ゲーリケ、フック、ボイルなどといったような人がはなはだ粗末な今から見れば子供のおもちゃのような道具を使って、それで生きた天然と格闘して、しかして驚くべき重大な画期的実験を矢継ぎばやに行なったのがそもそもの始まりである。