후리가나로 읽는 일본 고전
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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면
まず一匹の驢馬が出現する。熱帯の白日に照らされた道路のはるか向こうから兵隊のラッパと太鼓が聞こえて来る。アラビア人の馬方が道のまん中に突っ立った驢馬をひき寄せようとするがなかなかいこじに言うことを聞かない。馬方はとうとう自分ですべって引っくりかえって白いほこりがぱっと上がる。おおぜいがどっと笑う。これが序曲である。
一編の終章にはやはり熱帯の白日に照らされた砂漠が展開される。その果てなき地平線のただ中をさして一隊の兵士が進む。前と同じ単調な太鼓とラッパの音がだんだんに遠くなって行く。野羊を引きふろしき包みを肩にしたはだしの土人の女の一群がそのあとにつづく。そうしていちばんあとから見えと因襲の靴を踏み脱ぎすてたヒロインが追いかける。兵隊の旗も土人の子もみんな熱砂の波のかなたにかくれて、あとにはただ風の音に交じってかすかにかすかに太鼓とラッパの音が残り、やがてそれも聞こえなくなるのである。
この序曲からこの大団円に導く曲折した道程の間に、幾度となくこの同じラッパの単調なメロディと太鼓の単調なリズムが現われては消え、消えてはまた現われる。ラッパはむしろ添え物であって、太鼓の音の最も単純なリズムがこの一編のライトモチーフであり、この音の弛張が全編のドラマの曲折を描いて行くのである。