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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면
しかしまた一方から見ればまさにこの点が私にはこの映画をしていっそうロシア的ならしむる要素であるようにも思われる。すなわち、こういう遅緩なテンポとリズムを使用することによって、ロシアの片田舎のムジークの鈍重で執拗な心持ちがわれわれ観客の心の中にしみじみとしみ込んで来るような気がしないことはない。
葬式の行列もやはりわれわれには多少テンポのゆるやかすぎる感じがある。これを「全線」に現われる雨ごいの行列と対照するとやはり後者のほうがより多く動的であるように見えるのである。しかしここでもわれわれが、あるいは私が、テンポのゆるやかすぎると感じるところは、ロシアの農民の多数にはおそらくそうは感じられないであろう。これは私が前に述べたリズム感の基礎をなす「固有週期」といったようなものがロシア農民と日本のファンとで著しくちがうためではないかと思われる。そうしてこれがまた、この映画が日本あるいは東京の一般活動愛好者の感激を促し得ない理由であろうと想像される。
この上記の点で著しく対蹠的のコントラストを形成するものは、日本の剣劇映画における立ち回りの場面である。超自然的スピードをもって白刃と人形とが場面に入り乱れて旋渦のごとく回転する。