후리가나로 읽는 일본 고전
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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면
労働至上主義などというかび臭い説教はこの映画のどこからも自分には感じられない。この映画を見ていると工場の中で器械として働く人間は刑務所に働く囚徒と全く同じもののように思われる。学校生徒も同様である。この映画に現われる社交界の人々もやはり一種の囚徒であるように見えてくる。開場式のお歴々の群集も畢竟一種の囚徒で、工場主の晩餐会の卓上に列なる紳士淑女も、刑務所の食卓に並ぶルンペンらも同じくギャングであり囚人の群れであるように思われてくる。
ルイとエミールはこれらのあらゆる囚獄を片端から打ち破り、踏み破って「自由」の世界へ踏みだして行くのである。晩餐会で腹をかかえて哄笑するのもキュラソのビンで自分の肖像のどてっ腹に穴をあけるのも、工場と富とを投げ出してギャングの前にたたきつけるのもみんな自由へのパスポートである。
自由はどこにある。それは川面の漣波に、蘆荻のそよぎに、昼顔の花に、鳥のさえずりに、ボロ服とボロ靴にあるのではないか。西行や芭蕉は消極的に言えば世をのがれたに相違ないが、積極的に見ればこの自由を求めたとも見られる。
これはしかしただ自分がこの映画を見たときに偶然そう感じたというだけのことであって、もとより作者の意図ではないかもしれない。