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からすうりのはなとが

寺田寅彦随筆集 第三巻

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 213,804자 · 425화면

아오조라 문고

常に俳諧に親しんでその潜在意識的連想の活動に慣らされたものから見ると、たとえば定家や西行の短歌の多数のものによって刺激される連想はあまりに顕在的であり、訴え方があらわであり過ぎるような気がするのをいかんともすることができない。斎藤茂吉氏の「赤光」の歌がわれわれを喜ばせたのはその歌の潜在的暗示に富むためであった。

潜在的であるゆえにまた俳諧の無心所着的な取り合わせ方は夢の現象における物象の取り合わせに類似する。夢の推移は顕在的には不可能であるが、心理分析によってこれを潜在意識の言葉に翻訳するとそれが必然的な推移であって、しかもその推移がその夢の作者の胸裏の秘密のある一面の「流行の姿」を物語ることになるのである。ここにも「虚実の出入」があるといわれる。

夢には色彩が無いという説がある。その当否は別として、この事と「他門の句は彩色のごとし。わが門の句は墨絵のごとくすべし。おりにふれては彩色の無きにしもあらず。心他門にかわりてさびしおりを第一とす」というのと対照してみると無限の興趣がある。夢でも俳諧でも墨絵でも表面に置かれたものは暗示のための象徴であって油絵の写生像とは別物なのである。