일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면

아오조라 문고

まだ日の高い中に着いて見ると、無残に崩壊した建造物が残っていて、ブクブクの畳や水ぶくれの坊主枕が薄気味悪かったが、泊り準備は人夫衆にまかせ、僕等は河原の砂を掘って浅い浴場をつくり、砂の中から出て来る湯が、あまり熱くなると、川の水を流し込んではうめた。その夜は残りすくない食糧を、ありったけ出し、ひろって来たビールの空瓶に蝋燭を立てゝ盛大な宴会を開いた。あすの晩は大黒鉱山で泊めて貰える見込がついていたからである。地熱のせいか、この附近には大きなガマが沢山いて、僕等は泉鏡花の話などしたものである。

◇

蔵王山は二高にいた時登ったが、遠刈田や青根でブラブラしたのは高等学校から大学へうつる間の夏休みだった。その頃の遠刈田は不潔で蚤が多く、青根の宿は部屋と部屋との境が紙よりも穴の方が多い障子で――「その頃の」というよりも、「当時の僕が通された部屋は」といった方が穏当かも知れない――一向に有難くなかったが、両方の中間にある早川牧場で暮したいく日かは、温泉こそ無けれ、いまだに楽しい思い出である。僕はこゝで霧の深い朝晩を送り迎え、懸樋の水にひたした野生の菜のたぐいの美しさに心をひかれ、更に長い乾燥し切った昼間は牧場に出て草にねころび、何とかいう名の中年輩の牧夫と長話をした。