후리가나로 읽는 일본 고전
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
山本 周五郎의 山彦乙女(やまびこおとめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 126,360자 · 251화면
きざはしの下に二人、大鎧を着た部将が、床几に掛けている。そこから、舞台の左右へ、黒い甲冑の武者たちが、およそ五十人ばかり、それぞれ背に物を立て、槍、長巻、弓などを手に、居並んでいた。
笛、鼓、太鼓の下座が、ひなびた、緩い拍子の曲を奏し、舞台の上では、登世と花世の姉妹が、舞っていた。それは「羽衣」らしいが、曲も、舞の手振も、ひどく古風な、おもむきの変ったもので、はっきりそうとはいえなかった。
登世が天女、花世が漁夫をつとめている。鼓や笛の音が、杉の樹立に高く反響し、姉妹のうたう声の、澄みとおるような、美しい呂律が、これらのうえに、神秘的な印象を与えていた。
武者たちはみな、白の鎧下を着、兜の目庇から、白い布を垂れている。兵庫の手記にあったとおりの、異様な姿で、ひと言も口をきかず、身動きもしなかった。
――これが薪能というものかもしれない。
半之助はそう思った。
約半刻まえ、彼は甘利沢の下の山道で、この武者たちの、深夜の行列を眺め、ひそかにそのあとを跟けて来て、杉の樹立の蔭から、この珍しい儀式を見まもっていたのである。……腹巻を着けた老人によって、神殿の扉が開かれ、神燈がともされ、祝詞があげられた。