후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
中島 敦의 山月記・李陵 他九篇(ぎゅうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,608자 · 84화면
灰白色の揺動く幻だけがこの島の主となる日を考えると、妙にうそ寒い気持がして来た。
薄明というものの無い南国のことで、陽が海に落ちると、すぐに真暗になる。私が淋しい東海岸から、それでも人家の集まっている西岸へと廻って行った頃は、もう既に夜であった。椰子樹の下の低い民家から、チラチラと灯が洩れる。その一軒に私は近付いて行った。裏の炊事場――パラオ語ではウムというが、此処南方離島では何と呼ぶのか知らない――に、焔が音も無く燃えていた。その上に掛かった鍋には芋か魚でもはいっているのだろう。私が中にはいって行くと、火の傍にいた老婆が驚いて顔を上げた。黥をした、たるんだ皮膚が、揺れ動く焔にチラチラと赤く映える。手真似で食を求めると、老婆はすぐに前の鍋の蓋を取って覗いた。だぶだぶの汁の中に小魚が三、四匹はいっていたが、まだ煮えないらしい。老婆は立上って奥から木皿を持って来た。タロ芋の切ったのと、燻製らしい魚の切身が載っていた。別に空腹な訳ではない。彼らの食物の種類や味が知りたかっただけである。両方をちょっとつまんで味わって見てから、私は日本語で礼を言って、表へ出た。