일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면

아오조라 문고

そして数日間旅行をするという置手紙を残して再び家を出た。彼は小型の手提鞄をもっただけで、旅行客がたった今、倫敦へ着いた計りという様子で自動車をパーク旅館へ疾走らせた。彼は帳場で宿帳に自分の姓名を記入しながら、エドワードと名乗る男は、五階の百二十八号室に宿泊っている事を知り得た。成可く閑静な室をという注文が図にあたって、彼は五階の百二十七号室を占める事が出来た。エドワードという男は何処かで見た事のある顔だと思って頻りに記憶を辿って見るが、どうしても思出せない。

夜の九時に近かった。隣室のエドワードという男は食堂へ下りていったようである。林も続いて階下へ行こうとしたが、自分でも見覚えのある位だから、恐らく先方でも自分を見知っているかも知れない、気取られてはならぬと思って食堂行は止めにした。彼は廊下に人気の絶えたのを見究めてから、密に男の室へ入って見た。直ぐ目についたのは、牀の上に投出してあるトランクと手提鞄である。それには孰れもT・Cと姓名の頭文字が記してあった。彼はトランクの上の頭文字をじっと凝視めているうちに、トーマス・コルトンという、昔の恋敵の名を思出してきた。