일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면

아오조라 문고

「昨夜の事件は何だろう」私はハッキリ、暗い露路の中で仰向けに仆れていた男の姿を思い浮べた。誰があの男を殺したのだろう、只の一突きで心臓をやられている。あれだけの事をやるには余程の力と、胆力がなくてはならぬ。そして不意に露路を飛出してきたあの時の彼女の慌て方、それから現場に落ちていた緋房、それは何事を語るものだろう。……でも私はあの高貴な、美しい顔を考えると、どうしても彼女を疑う気にはなれなかった。

時計を見ると、十二時を過ぎている。扉の外においてある水差の湯は冷くなっていた。私は苦笑しながら手早く衣物を着換えて戸外へ出た。

日曜の事であるから職業紹介所へいっても休みである。私は先ず停車場へいって新聞を買い、簡単に食事でもして来ようと思った。酒場の前を曲って遊園地の横手へ出ると、擦り切れた箒子を傍に立かけて、呆乎鉄柵に凭りかかっていた見窄らしい様子をした老人が、

「旦那様、今日は」と叮嚀に挨拶をした。それはいっつもこの界隈を根城にして、通りかかりの人々から合力を受けている見知越の男である。これ迄も私は特別不機嫌な時を除いて、顔を見る度に一つ二つの銅貨を遣っていたものだ。