일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひかげのまち

幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選

松本 泰

松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면

아오조라 문고

婆さんは霎時私の顔と、手紙を見較べていたが、大きく頷首いて私を室内へ導き入れた。

「ここで待っていて下さい」婆さんは私をガランとした火の気のない客間へ残して奥の方へ引込んだ。

部屋は往来に面していたが、焦茶色のカーテンが外の光を遮って暗く陰気であった。永く使わないと見えて飾棚の上にも、椅子の肘にもザラザラと塵挨が積っていた。間もなく先刻の婆さんが扉をあけて、

「旦那様がすぐお目にかかるそうですから、どうぞこちらへ来て下さい。旦那様は御病人で、お気が短いから気をつけて下さいよ」といった。

階段の下から廊下を右へ曲って、とある奥まった部屋の前までゆくと、戸口を指さしてクルリと引返していった。

婆さんの姿が廊下の曲り角に消えてしまうまで私は後を見送っていたが、詮方なく教えられた戸を軽く叩くと、内から返事があった。

細長い大きな部屋の一隅にホロホロと暖炉を焚いて深い凭椅子に埋まっていた老人は、私を見ると杖を挙げて、

「もっとこっちへ来るがいい。儂はこの通りの※疾者でな。立って歩く事が出来ない」見た様子の割に若々しい声でいった。私はいわれるままに側へ寄って、自分を名乗った。