후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
私はそこで勢いボンド街の展覧会へ柏の絵画を観にいった事を話さねばならぬ破目になったが、劇場で彼女と二人のフランス人を見掛けた事と、又ベーカー街に彼女を訪ねた事も、凡て彼女に関する事は口にしなかった。
然しカクストン氏は、柏の描いた絵が彼女である事を知っていたので、巧みにしらを切ろうとした事が、少しぐれはまになってきた。何にも知らぬ柏は正直に、暮の二十九日にサボイの食堂で彼女を見掛けた事、それからヒントを得て製作にかかったという順序を述べた。柏は余り上手くない英語で彼女を最上級の形容詞で嘆美して、私をハラハラさせ、係員を微笑させた。ここでは完全に「日本人は見掛けによらぬ狡猾だ」という彼等の観念を覆えおおせた。
「どうも御苦労でした。又何かの機会でその婦人にお会いにならぬとも限りませんから、そんな事があったら直ぐ知らせて下さい」とカクストン氏はいった。そこへ電話がかかってきたので、氏は眼で挨拶をしながら、私共が室外へ出てゆくのを見送っていたが、
「鳥渡お待ちなさい。展覧会で絵画を盗まれたのです。それが君の出品した絵のようだ。確か君の画題は、『歓の泉』とかいいましたね」