후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかげのまち
幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選
松本 泰
松本 泰의 幻の探偵雑誌5 「探偵文藝」傑作選(ひかげのまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,797자 · 107화면
何かなしに、警察へいったきり母親はもう帰って来ないように考えられてならなかった。彼女は慌ててそれを打消そうと努めたが、払っても、払っても、次から次に浮んでくる不吉な幻影が一層彼女の心を重くした。そして今朝母親が家を出て行った時の悲しげな眼眸が、いつまでも目先にチラついているのであった。
ビアトレスは母親が林に対して抱いている心持を知っていた。そして母親が殺された其男を呪い、醜い記憶を持った間柄をどんなに秘していたかを知っていた。
坂口とビアトレスはフト目を見合せたが、二人は窓の外に眼を背してしまった。
クッキリと黄色い光線を浴びている甃石の上は、日蔭よりも淋しかった。青空も、往来も、向う側の家々も、黒眼鏡を通して見るように明瞭として、荒廃れて見えた。
間もなくエリスが死人のような顔色をして入って来た。
「ああ、既う駄目です。すべてが終りです」エリスは力なく椅子に着いてさめざめと泣いた。
「小母さん、伯父はどうなりました」坂口は急込んで訊ねた。
「林さんにお目に掛る事は許されませんでしたが、林さんはすっかり自白して罪を承認したいという事です」エリスは泣りをしながらいった。