후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
遠くの谷で夜鷹が不気味にギョギョギョといって啼き出した。これあ溜まらないと思って一しょう懸命に目をつぶっているうち、私は突然、おととし結婚するとすぐまだ夏になるかならないうちにこの村へ越して来てしまって、きょうその前を通ってみた、水源地に近いあの樅の木かげの山小屋で二人きりで暮らし出していた時分、よく夜なかにその夜鷹の啼き声をきいては互に気味悪がっていたことなぞを思い出した。丁度、その小屋の裏がすぐ木立の深い谷になっていて、夜なかになると夜鷹がその谷から谷へと大きな環を描きながら飛びめぐっているらしいのが、その不気味な啼き声の或は遠のいたり或は近づいて来たりする具合で手にとるように私達には分かった。けさ深沢さんと一緒にその山小屋を見てから更に奥の方へ下って行った谷がそれだ。その谷の奥で、いまもその夜鷹が啼き出しているらしかった。私はなかなか寝つかれないまま、けさ歩きまわっていたその谷じゅうに自分の持って行き場所のない想いをさまよわせていたが、そのうちにふいにそれが一つのものに落着いたように、その谷かげで見つけた朴の木の花が急に鮮かに浮んで来た。