일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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にわをつくるひと

庭をつくる人

室生 犀星

室生 犀星의 庭をつくる人(にわをつくるひと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,332자 · 19화면

아오조라 문고

竹の庭

竹の庭

庭は春さきの冬がすっかり終りかけないころがよい。冬のさむさが隅々に残り漂うているに拘らず、春さきの景色もむらさきぐんだ影になり、土はしめりを帯びている。その土や苔のしめり工合に得も言われぬ行届いた叮嚀さがこめられて、旭のあたり加減の匂わしさは類もない新しさである。何となく植えてみたいのぞみを抱く、木々の間を覗いてあるくと、枝を透いて匂うてくるものを感じる。つまり庭全体の空気が不思議な人情的なるものにつつまれて囁いてくるようである。穏かに草の芽のあたまに当る旭のいろに天が下のめぐわしさを感じるのである。季節の故郷である。

厳格と寒威との間に立った石燈籠がやっと柔和に見え、ひと雨のあとの濡れ方もまた春の色であった。灯ともし石のきわに芽が生えているのを見ると、わたくしは曾て或る茶人の庭にあった利休形の古い燈籠を思い出した。庭のまん中に据え、松の下に蔓をからませた姿は、あっさりと好ましかった。松一本の好みもよかった。茶室にいたわたくしは主人が立ったあとで、釜の鳴るのを聴きながら眺めていると、燈籠の落着き方は能く釜の音に調和していて、わたくしをして茶室で眺めるものは茶室との結びを持っていると思わせた。